Web広告運用者の職務経歴書、履歴書の書き方

今回はGoogle広告、Yahoo!広告、Meta広告などに代表されるWeb運用型広告の運用者が書類を作る際の疑問、悩みを取り上げます。
書類選考通過率を上げ、強みをしっかりアピールできる職務経歴書を仕上げるため、参考にしてください。
当記事では、大枠の流れとして
採用企業の目線を理解する → 自身の経験を整理する → 書類を書く の順で説明します。
採用企業の書類選考者がチェックしているポイント
Web広告運用者の書類選考では、次の点を重点的にチェックされています。
- 経験のある媒体、経験年数
- 1アカウントあたりの最大運用額、平均運用額(予算の規模)
- 担当業務範囲(アカウントの設計、入稿、入札調整、改善、レポート等)
- 経験のあるKPI(媒体管理画面で確認できるCPAだけか、売上などの後工程を経た数値か)
- 業界業種、商材種類(BtoB、BtoC、DtoC等の大枠での整理含む)
- 周辺業務の経験(LPO、EFO、静止画や動画制作、これらディレクション)
- ツールの設定、使用(GTM、GA4、ABテストツール、BIツール等)
チェックされている点が書かれていないケースをよく目にします。
最近ではAIを用いて書類を要約する企業も増え、情報量が多すぎる懸念は無視できる程度になりました。
書類作成前に整理すべき最重要ポイント
ここでは最も重要な点に絞って説明します。
実績は、課題・施策内容・結果のビフォー・アフターでまとめる
時々見かける「CPA40%改善」のような実績ですが、採用企業側としては、「分かりづらい」実績に見えています。
後述の商材等ともセットで説明できる状態を目指します。
- 課題:CPAが高止まりしていた。CPAが許容できる値を◯◯円超えていた。月間CVが目標に対し不足していた。出稿キーワードが広げられずCV不足が続いていた。安価なCPAでCV数も獲得できているが成約金額ベースで赤字が続いていた。といった「解決を目指した対象」を記録します。
- 施策内容:アカウント構造をどのように作り直した。ターゲティングをAからBに変更した。マイクロCVを導入し機械学習が進むように変更した。LTVで値が低いキーワード群を除外した。といった「具体的な施策」を記録します。
- 結果:取り組み前CPA3000円→取り組み後CPA2000円。旧LPのCVR0.8%→新LPのCVR1.5%。のように施策前後の数字をまとめます。
商材・月額予算と担当範囲をまとめる
広告をうった商材、その月額予算、ご自身が担った役割をまとめます。
- 商材:その商材が属するカテゴリ名を記載します。具体的な商品名を記載しても良いでしょう。広告ではどの点をCVポイントに設定したかや販売方法もまとめておきましょう。(SaaSであれば、サービス資料のダウンロードがCVポイントであったり、無料登録であったりするかと思います。キッチン用品の製造業であれば、ECでの購入完了であったり、小売店からの問い合わせ件数であったりするでしょう。)
- 月額予算:媒体ごとにおおよその金額をまとめます。予算アロケーションを頻繁に実施してきた等、変動が激しい場合には、最小最大を記録することも一つです。ここでの予算額は広告実費、つまり媒体に支払う金額であり、運用フィーやクリエイティブ費用を含みません。
- 担当範囲:媒体別の予算振り分け、アカウントの設計、ターゲティングの設計、広告文やバナーの作成、入稿、入札調整、ABテストの設計・設定、レポート等の業務のうち、どの範囲を担当したか整理できると良いでしょう。代理店勤務の方は、クライアントへの初回ヒアリングから、月次報告までの折衝業務についても記録します。サブ担当として関与したケースはその旨を記録しましょう。
マネジメント、顧客折衝、業務効率化、マルチタスクの経験をまとめる
基礎スキルや周辺スキルもまとめます。特に年齢が30代以降の方は、業務の実行力に加えて、組織への貢献観点で見られることは増えますので、漏れなく対応しましょう。
- マネジメント:マネジメント経験を記録します。さらに具体的な範囲もまとめます。具体例は、業務スキルの教育(広告運用の実務を教える、フィードバックをする等)、勤怠管理(有給の承認や残業時間の管理等)、人事評価(多くの場合、1次考課者として現場での働きぶりを上長に説明する役割)、予算執行(インハウスであれば広告予算の承認等)、ピープルマネジメント(1on1を通じたモチベーションや気力の把握、成長への伴走等)です。
- 顧客折衝:先にも少し触れましたが、代理店であれば営業関連業務や報告関連業務を中心にまとめます。インハウスの場合は、部署内のレポーティングラインに対する報告業務や他部署と連携して進める業務(デザイン作成や営業部門へのヒアリング等)が該当します。
- 業務効率化:GASを用いた繰り返し業務の自動化や、新人教育用動画の作成、定型業務のマニュアル化(非属人化)等が該当します。最近は近しい点でAI利活用に関する確認も増えていることから、システムの作成やクリエイティブの作成など、AIを用いて進めた経験があれば(広告運用結果をAPI経由で集計する等)記載できると良いでしょう。
- マルチタスク:多くの広告運用者は、日常的にマルチタスクを担っているかと思います。複数のクライアント、複数のLP制作やABテスト、部署内レポートの作成や報告会議資料の作成等が挙がるかと思います。異なる期限、異なる関係者との業務をご自身で管理できる能力があると説明できるよう、経験や用いているツールを整理しておきます。
職務経歴書の書き方
職務経歴書は、多くのエージェントから、多種の雛形が配布されています。
ここでは大半の雛形で記載が推奨されている点を中心に、書き方をまとめます。
経歴要約
学校卒業から現職までの所属先、役割、成果を端的にまとめます。
200字程度を目安にすることが多いですが、ご経験社数が多い場合やジョブチェンジ・社内異動が多い場合等では、文字数が超過しても気にせずまとめることを推奨しています。
ここで大切なことは、「応募先ポジションで求められるスキル、経験を有し、期待される成果を出せる人材であること」を強調することです。
例として、新卒で営業職、転職し広告運用を経験、今回の転職準備をしているとします。
応募先が事業会社(不動産業)で、広告運用スキル高く、近い将来マネジメントも任せたいと考えている場合には、次のような書き方にします。
経歴要約の例
新卒で◯◯株式会社に入社し、法人営業に従事。その後、現職△△株式会社へ転職し、Web広告運用と顧客折衝業務を担当。
不動産業や観光業のクライアントを主に担当し、不動産売却の問い合わせ獲得ではCPA60%改善、ツアー予約獲得ではCPA40%改善を実現。
新卒2名の育成担当を兼務し、研修や1on1を通じて効果的・効率的な広告運用をフォローし、チームでの成果最大化を担っています。
1社目の営業職の話は、要約では深堀りせず触れるだけにし、応募先が「気になる、詳細を知りたい!」と思う点に文字数を割いています。
後ほど触れる職務の詳細欄で、営業職での実績を丁寧に記載し、広告運用での実績欄では、「再現性のある成果なのか?」との目に答えられるよう記載します。
職務内容
基本情報、担当業務、実績、必要に応じて役職を記載します。
基本情報
在籍した企業名、資本金の額、事業内容、在籍期間、雇用形態、分かれば従業員数を記載します。
基本情報の例
△△株式会社(正社員)2020年4月~2025年3月
資本金5000万円 従業員数105名
期間別の担当業務
担当した業務内容を記載します。
代理店のWeb広告運用者であれば、標準的な業務単位は、次の通りです。
期間別の担当業務の例
2020年4月~2023年3月
【担当業務】
- 新規顧客への提案資料作成、運用シミュレーション作成
- 顧客への課題ヒアリング、目標擦り合わせ
- 出稿媒体の選定、予算の策定、配信計画の作成
- GTM経由でのCV計測環境の整備、GA4の設定
- アカウント設計、ターゲティング設定、キーワード設定
- 広告素材の作成、入稿
- LPの文言作成、ワイヤー作成、制作ディレクション
- バナー・動画等のクリエイティブ制作ディレクション
- 入札調整、除外設定
- ツールを用いたLPのABテスト
- 配信結果レポートの確認、週次月次レポートの作成
- クライアントへの報告会対応
事業会社でWeb広告運用を担っている場合は、顧客・クライアントと記載された点を、次のように読み替えてご自身のケースにあった言葉にします。
- 広告配信計画の資料作成
- 営業部、サポート部との連携
- 配信結果ダッシュボードの作成、調整
月額予算規模や何件程度のアカウントを運用していたか(月平均)の記載ができると尚良いでしょう。
実績
成果、実績を記載する際、多くの方はハイパフォーマンスだった結果を中心に記載するかと思います。
この考えは間違っていませんが、運用額が高額だった案件を取り上げる他、応募先によっては、同一(類似)業界の実績や歓迎条件に記載のある経験を取り上げることも有効です。
実績をまとめる際には、次の点を含めるよう意識します。
- 業界業種
- 商材
- KPI
- 運用した媒体
- 月額予算
- 課題・取り組み・成果のビフォー・アフター
代理店での経験を例にしたものが次です。
実績の例
●歯科クリニック:矯正歯科の新患集客
初回カウンセリングの予約獲得を目標にし、Google検索・Yahoo!検索・Meta広告を出稿。
月額予算は、G30万円、Y10万円、M20万円。
予約1件獲得のCPAが3万円台半ばで推移し、25,000円程度まで下げたいとの希望があった。
そこで、獲得効率を見てGoogle予算を増額、Yahoo!予算を減額した。合わせて「子どもの歯科矯正を検討する親」をメインターゲットにし、LPのFV改善を実施した。結果、施策前CPA34,000円が、施策後CPA24,000円へ改善された。
役職
役職についた経験がある方は、該当の期間に役職名を記載します。
雛形のスタイルによりますが、期間の横に「役職:課長」といった追記することで十分です。
スキル・知識
まず、多くの職種で共通する汎用的なスキルの記載についてです。
掘り下げる要素もないため、例を確認してください。
汎用スキル
Word:文書作成、見積書作成など
Excel:四則演算、VLOOKUP関数、IF関数、COUNTIF関数、ピボットテーブルを用いたデータ分析など
PowerPoint:会議資料作成、営業資料作成
ビジネスツール:Slack、Notion、Kintone、Salesforce
デザインツール:Photoshop、Figma、Canva
英語:日常会話レベル
Web広告運用の専門スキルは当記事の冒頭でも触れた点をまとめます。
専門スキルの例
- 媒体別業務経験
- Google検索広告・・・5年以上
- GDN・・・3年以上
- Yahoo!検索広告・・・5年以上
- Meta広告・・・3年以上
- X広告・・・3年以上
- 関連業務経験
- LP制作ディレクション・・・2年以上
- EFO・・・1年以上
- 動画編集・・・1年以上
- マーケティングツール
- Google Analytics4
- Adobe Analytics
- AD EBiS
- VWO
- Googleタグマネージャー
上のものを骨組みして、より細かくスキルを補足しても構いません。
採用企業の目線で伺うことが多いのは、検索とディスプレイを分けて確認したいという話。加えて何件程度のアカウントを同時進行していたかです。
資格・免許
普通自動車第一種運転免許、TOEIC、ITパスポートあたりは他職種同様に記載することが多いかと思います。
Web広告運用者の場合は、次の資格を持っている場合に記載できると良いでしょう。
Web広告運用者の資格例
- Google広告認定資格
- 検索
- ディスプレイ
- 動画
- LINEヤフーマーケティングスキルバッジ
- 検索広告Basic
- ディスプレイ広告Basic
- Meta認定デジタルマーケティングアソシエイト
- Googleアナリティクス個人認定資格
他にも民間のマーケティング資格・検定を記載しても良いでしょう。(ウェブ解析士などは取得者も多いと思います。)
自己PR
履歴書にも記載する場合、大枠は同一としながら、職務経歴書では詳細に記載し、同一文にならないようにします。
履歴書の書き方
書き方は他職種と同様です。Web広告運用者だけの特殊な書き方はありません。
ミスの多い点をまとめます。
- 右上の日付は、作成した日や更新した日を記載し、常に最新日にすることが重要です。
- 「和暦」か「西暦」のどちらかで統一します。
- 「ふりがな」欄はひらがな、「フリガナ」欄はカタカナで書きます。
- 写真は、 3ヶ月以内に撮影した、スーツ着用・胸から上の写真を使用します。私服が一律NGではないですが、減点リスクのないスーツが推奨です。
- 学歴は「高校卒業」から書きます。(最終学歴が高校卒業の場合は、中学卒業から書きます。)学校名や学部・学科名は省略せず正式名称で記入します。
- 職歴の最終行には「現在に至る」と書き、その右下に「以上」と書きます。
- 志望動機・自己PR欄は、自己PRを記載し、応募先にあわせて志望動機を書くかはエージェント等と相談します。
- 本人希望記入欄には、「貴社の規定に従います」と書きます。
履歴書、職務経歴書の添削は転職エージェントに相談する
Web広告運用の経験を棚卸しする際、書き方で悩んだ際は、転職エージェントに相談することも一案です。
当サイトを運営するFor Marketerは、マーケター特化型の転職エージェントです。
書類添削も当然無料です。こちらの相談フォームよりご連絡ください。
