マーケター採用、成功の秘訣は?企業がすべき工夫
「自社の社風や事業内容に合ったマーケターを採用するにはどうすればいい?」
「優秀なマーケターを自社内に抱えたい」
マーケター、特にハイレイヤーの採用で苦労されているケースを多く聞きます。求める人材に巡り会えない企業も多いでしょう。
マーケターの採用を成功させるために必要な工夫、マーケティングに関する事前知識を当記事では取り上げます。マーケター採用におすすめのサービスも具体的に挙げながら解説しますので、採用手法の選択肢を広げる参考にしてみてください。
マーケター採用が困難な3つの理由
まずは、マーケター採用を困難にしている3つの理由についてみていきましょう。
①企業間の競争が増しているから
ビジネス活動においてデジタル化が進んでいるため、マーケティング活動においてもデジタルマーケティングの重要性が拡大しています。
しかし、人材市場では需要に対してマーケターの供給が不足しています。
経済産業省が2019年に公表した調査によると、IT人材の需要と供給の差は2025年36万人・2030年45万人と試算されています。
未経験者や経験数年の人材であれば採用できても、業界の特長や顧客の状況、組織の考えをもとに目標設定・戦略策定から任せられる人材はかなり不足しています。
デジタルマーケターの人材も、指示通りの作業者は需給がやや均衡程度ですが、計画から任せられる人材は不足しており、企業間の採用競争は激しさを増しています。
②マーケターのスキルの見極めが困難だから
マーケティング手法は時代の変化に影響を受け、多様化しています。
マーケティングの種類は、オフラインマーケティングとデジタルマーケティングに大きく分類できます。
オフラインマーケティングは、電話・メールなどのダイレクトマーケティングとテレビCM・交通広告などのマスマーケティング、展示会やチラシなどが該当します。
対して、デジタルマーケティングのおもな手法は、Web広告やSEO、SNSマーケティングなどが挙げられます。
チャネルの多様化、役割の細分化・専門化を背景に、自社に最適な人材を見極めることの難易度が高まっています。
そのため、採用担当者のマーケティング知識が不足している場合、スキルでの見極めが難しいことから、実績面に偏った採用活動になるでしょう。
③マーケターの育成環境を持たない企業が多いから
営業部門は社内に育成環境があるが、マーケティングにはない企業が多い状況です。
すなわち、単独で完結できる人材を求める必要があり、それら人材は市場において貴重ということです。
ここ10年ほどでオフラインからオンラインへマーケティング手法の比重が高くなってきました。伴ってマーケティングの基礎知識や技術を持っていても、オンラインへの適応が未完了の人材など、採用しやすい層を受け入れできるかは一つのポイントになりそうです。
(マスマーケ出身は報酬が高すぎる等の別の問題はここでは取り上げません。)
マーケターを採用するために企業が実施すべき5つの工夫
①自社が採用したい人物像を明確にする
企業が行なうべき工夫1つ目は、自社が採用したい人物像を明確にすることです。
以下の項目別に、自社がどのようなマーケターを求めているのかを列挙してみましょう。
- 年齢
- 業務内容
- 役職
- 年収
- 必須スキル・経験
- 将来的に取得してほしいスキル・経験
- 人柄・キャリアビジョン
どのような人材を求めているのかを言語化して、採用活動を進めることが重要です。
特に、業務内容と求めるスキルにズレがある求人が多いように感じます。人事を例に挙げると、一般企業の新卒採用担当に簿記資格を求めるようなケースです。
ほかにも、求めるレベルが非常に高く、該当人材がそもそも市場にいないような求人票になっているケースです。主要な広告媒体の運用と改善ができ、MAツールの運用経験があり、大規模サイトのSEO改善成果を出したことがある人材といった募集を見かけますが、数千人に一人か、数万人に一人の人材であり、応募が少ないのであれば、人物像の見直しからすると良いでしょう。
②自社が採用したい人物像にあった採用手法を選択する
企業が行なうべき工夫2つ目は、自社が採用したい人物像にあった採用手法を選択することです。マーケターのレイヤーにより転職活動の方法にも違いが見えます。
そのため、自社の求める人材が存在する媒体を選ぶことが大切です。例えば、以下のような手法からどうやって選択するべきか考えます。
- ダイレクトリクルーティング
- リファラル採用
- 人材紹介
- マーケター特化の求人サイト、人材紹介
- 業務委託(副業人材やフリーランス)
③マーケターが望むキャリアを把握する
企業が行なうべき工夫3つ目は、マーケターが望むキャリアを把握することです。
「マーケターが仕事に求めているものは何か」・「転職する理由は何なのか」
マーケターが転職活動に至る悩みを把握できれば、転職活動を行なうマーケターへの訴求に活かせます。
マーケターのキャリア志向は、以下の表のように4つに分類できます。
サービス志向 | 携わる商品やサービスを心から推薦できるかを重視 |
チャレンジ志向 | 上昇志向、成長意欲が強く、大規模プロジェクトの有無や新しい役割へのチャレンジ環境を重視 |
マネジメント志向 | CMOへの道の有無を重視 |
カルチャー志向 | 誰と働くか、どこで働くか環境を重視 |
キャリア志向の違いによって候補者の求めるポイントは異なるため、候補者の価値観に沿ったアピールを行なうことが重要です。
エンジニアと同様にリモートニーズが強い職種ですが、採用は目的ではなく手段のはずです。企業成長に即した考え方の中で、表に出すべき情報が何か整理します。
④マーケターの特性や関心事を把握する
企業が行なうべき工夫4つ目は、マーケターの特性や関心事を把握することです。
キャリア志向や働き方の志向とも繋がる点で、顧客との接点が取りやすい職場を好むケースもあれば、最新技術への関心が強いケースもあります。
これは募集ポジションや自社にマッチする人材像とも関わるため、前段までの①~③を整理した上で、適切な環境を提供できるか確認します。セミナー参加費の補助、新しいツールへの投資など、自社の魅力を高める取り組みができないか合わせて検討してみましょう。
⑤転職活動を積極的に行なっていない人にアプローチする
企業が行なうべき工夫5つ目は、転職活動を積極的に行なっていない人にアプローチすることです。
転職活動を積極的に行っている顕在層は、約5%といわれています。
対して、転職の意欲はあるものの積極的に転職活動を行なっていない人のことを転職潜在層と呼びます。転職潜在層にアプローチすることは優秀な人材を採用できる可能性が高まり、他社との競争も激しくありません。
アプローチする手法は、直接スカウトを送るダイレクトリクルーティングや本選考前に候補者と意見交換するカジュアル面談がおすすめです。最近では内定から入社まで長期間猶予を与える企業なども出てきました。
マーケター採用選考時に確認すべき保有スキル
マーケター採用選考時には、以下のスキルの有無を確認しましょう。
質問内容を工夫して、候補者のスキルを見極める必要があります。
質問のポイント | |
実績・スキル | 前職で経験した具体的な仕事内容チーム内での担当業務課題に対する取り組み |
論理的思考力・分析力・PDCAサイクルを回す力 | 経験した業務課題に対する計画・具体的な施策・成果の内容論理的に話せているかどうか |
コミュニケーション力 | 社内外の関係者とどのように関係を築き、成果をあげたのか |
戦略的思考力・予算規模にかかわらず結果を出せる力 | 限られたリソースで成果を最大限に発揮できる人材か自社の予算イメージを伝えて、入社後に取り組みたい施策を質問 |
いずれの内容も過去の経験をベースに質問すると、上長や組織としての成果だったのか、個人の成果だったのかを判断しづらいかと思います。
そのため、架空の業務課題や検証結果などを例題にし、その場での思考を確認することも大切です。
マーケター採用におすすめの求人サイト
ここからは、マーケター採用におすすめのサービスをそれぞれの特徴もまじえてご紹介します。
リクルートエージェント | 年間登録約130万5,000名年間決定約6万9,000名初期費用0円・完全成功報酬型求職者に直接スカウト可能なオプション有り |
Wantedly | ユーザー数350万人・スカウト返信率平均20%採用ホームページとしても使用可能会いたい候補者へ直接メッセージ送信可能 |
AMBI | 若手ハイキャリア対象年収500万円以上のポジションを目指す人材が多い |
BIZREACH | 年収1,000万円以上の求人が3分の1以上登録ヘッドハンターが多いことから、受け身のユーザーが多い |
Eight Career Design | 利用者300万人超利用者の56%は管理職転職市場では見つからない希少人材(転職潜在層)にアプローチ可能 |
doda ダイレクト | 日本最大級のdodaスカウト会員データベース約317万人転職希望者の登録情報を確認したうえで直接スカウトメール送信可能 |
マスメディアン | マーケティング・クリエイティブの求人数・転職支援実績No.1クラス6万人超の転職支援実績から、企業ごとの特徴に合わせたアドバイス可能 |
HALLHEART | 広告・IT・Web業界に特化した転職支援サービスグループ間社員マッチングプラットフォームサービス提供 |
優秀なマーケターを採用できない場合、ポジションのレベルを下げて、外注とセットで必要なスキルを確保する方法や、フリーランスチームを活用する方法もあります。
以下のサービスも併せて検討してみましょう。
キャリーミー | フリーランスとのマッチングサービスデジタルマーケティング(広告運用・SNS・SEO・ECなど)・広報・事業開発・法人営業・採用など事業のグロースを担う案件に強み |
ferret One(フェレットワン) | BtoBマーケティング施策代行支援 |
カイコク | マーケター・デザイナー向けの複業(副業)・転職マッチングサービスマーケティングに精通したスタッフが手厚くサポート |
WAUW | ハイスキルなデジタルマーケター・業務委託・フリーランス・パラレルワークをコンセプトにした新しい複業・副業サービス |
シューマツワーカー | プロフェッショナルな副業・フリーランス人材と企業をつなぐマッチングサービス |
まとめ
マーケターの需要は旺盛で、優秀な人材を採用することは容易ではありません。
事前に自社が採用したい人物像を明確にして、マーケターが望むキャリア・特性を把握することが重要です。
マーケター採用選考時には候補者のスキルを見極めるために、質問内容の工夫も欠かせません。