マーケターのキャリアプランとは?プラン作成時の注意点
「マーケターはどんなキャリアプランを描ける?」
「マーケターがキャリアプランを作成するときの注意点は何?」
「キャリアプランを転職面接で聞かれたら、どうやって回答すればいい?」
このような悩みを抱えていませんか?
転職面接時にも問われるキャリアプランについて、内容が思いつかずに悩んでいる人は少なくありません。
しかし、マーケターにとってキャリアプランを作成することは、あなたの目指す将来像を達成するために必要不可欠です。そこで今回は「マーケターのキャリアプランの流れ」・「キャリアプランを立てる際の3つの注意点」についてご紹介します。
マーケターとして将来にわたって活躍するために、あなた独自のキャリアプランを作成しましょう。
キャリアプランとキャリアパスの違い
キャリアプランとよく似た言葉にキャリアパスがあります。
混同しないために、まずはキャリアプランとキャリアパスの違いについてみていきましょう。
キャリアプランとは、従業員一人ひとりが自身で将来してみたい仕事や理想像を実現するために計画することです。
例えば、以下のような内容です。
- 今の会社で28歳までに資格取得する
- 30歳までに他社へ転職してさらなる経験を積む
- 40歳で独立する
どのような仕事をして人生を歩んでいくか大きな視点で捉えるため、現在の会社や一企業でのキャリア形成に限定しません。
対して、キャリアパスとは、企業が従業員に提示するものであり、社内での異動・昇進・昇給の道筋のことです。
キャリアプランとキャリアパスの違いは、主語が自分自身なのか企業なのか。
そして、転職・独立なども含めるのか、社内に限定されるのかという点です。
マーケターのキャリアプランの流れ
キャリアプランを考えることは、マーケターにとって重要です。
キャリアプランがあれば、仕事に対するモチベーションが向上し、マーケターとしてのキャリア選択の機会を逃さずに済むからです。
そこでここからは、入社年数に応じたキャリアプランの流れの具体例をご紹介します。
あなた独自のキャリアプラン作成の参考にしてみてください。
入社1年目
まず、Web広告代理店やWeb制作会社に入社します。
会社の先輩に同行して、OJTで経験を重ねましょう。
マーケティングの基礎知識やノウハウを習得していき、徐々に小規模クライアントの担当を任せられるようになります。
成果を上げられれば、中堅・大規模のクライアントに軸足を移していけるでしょう。
入社2~3年目
チームリーダーなどを担う先輩のサポートのもと、情報収集・リサーチやマーケティング施策
の実行などの基本業務に従事します。
自社の商品やサービス、業界事情に精通するようになり、情報を網羅的にインプットしていくことが重要な時期です。
マーケティングの全体像把握はもちろん、各業界に関する知識や業種ごとに異なる手法を自分なりに解釈して自分自身のものにしていきましょう。
入社3~4年目
入社3〜4年目となれば、もう中堅社員です。マーケターとしての自信もつき、与えられる予算も大きくなるはずです。自社と競合他社の商品・サービスを比較して、それぞれの強みや弱みを深掘りして説明できる能力が求められます。
10種類以上のマーケティング手法のなかから、最適なものを選択して実行するため、マーケターとしての実力の見せどころとなります。
入社5~8年
入社5〜8年では、チームリーダーを任され、マネジメントの経験値を上げる時期です。チームをまとめて、部下の指導にあたりましょう。
PDCAサイクルを回して、チームとしての業務の質を向上させていきます。部下のスキルアップを促したり、モチベーションを管理・向上させたりしなければなりません。
チームリーダーとしての実績を積めば、マネージャー・ディレクター職への昇格につなげられるでしょう。
社内での高評価から、会社経営に参加する人が出てくるかもしれません。
また、事業会社のCMO(最高マーケティング責任者)になる、または総合広告代理店へ転職など将来のキャリアの幅を広げていきましょう。
会社員としてのマーケターではなく、フリーランスや起業する選択肢もあります。
企業からWebマーケティングを受託して、個人で自由な働き方を手に入れることも夢ではありません。
マーケターがキャリアプランを立てる際の3つの注意点
キャリアプランの流れを把握したところで、ここからはマーケターがキャリアプランを立てる際の3つの注意点を解説します。
それぞれ詳しくみていきましょう。
①長いスパンの計画を立てる
1週間後や1か月後といった直近の目標を立てるのではなく、3年・5年・10年といった長いスパンの計画を立てましょう。
長いスパンの計画のほうが、現実味のあるプランになるからです。(正しくマイルストーンを定めないとぼんやりしたプランになるため、注意が必要です。)
目標は当初決めた段階から固定するのではなく、時間の経過とともに調整していって構いません。キャリアを形成できてきたら、転職活動も検討しましょう。
実際の募集を見ることで、マーケティング人材へのニーズについて詳しく知ることができます。応募したい企業を選定し、それぞれの企業の実情を踏まえて何が足りないか考えることも重要です。
②目指す姿には具体性を持たせる
どういった業務を担える人材になりたいかを目標に据えましょう。
「CMO(最高マーケティング責任者)になる」といった役職名を目標に掲げてはいけません。
極端な話、経験3年程度でCMOの肩書を与える小規模企業が山ほどあります。CMOを目指すことがNGな訳ではなく、ご自身のイメージするCMOとはを細かく説明できることが大切です。
何年後かになりたい姿をイメージして、目指す姿を達成するための経験やスキル、数値目標や具体的な成果を設定しましょう。そうすれば、すぐにでも行動に移せるはずです。
1点、目指すべき人材像として、含めることをおすすめする要素をお話します。それは、「顧客視点で考えてきた経験の程度」と「繰り返し業務の中で、ポジティブループを作り出した経験の程度」です。
マーケターから経営人材に進むようなケースも含め、マーケターだからこそ獲得できる能力や経験として、多方面で生きるのがこの2点です。
どうやって売るかではなく、顧客の困りごとやサービス利用シーンを深く考えた経験が一つ目。もう一つは良い結果が出たことで、広告予算を増額でき、さらに成果が拡大するようなケースや、満足度の高い顧客が増えることで新規顧客が増えるケース、部下を優れた人材に育てることで管理者の工数にゆとりができ、さらに手厚い育成方法を考えることができたといったケース等、良い結果の連鎖に繋がるような仕掛けづくりに挑戦した経験を目指す姿内に組み込むことをおすすめします。
③キャリアプランをアクションプランに分解する
ご自身のキャリアプランですから、自由に描くことは問題ないです。
ただし、せっかく時間をかけプラン作りをするならば、達成させたいでしょう。そのためには、アバウトな状態目標に対し、クリアな目標を追加することと、そこにたどり着くためのアクションプランを作成します。
例えば、ある地点で、「企画、制作、広告出稿、効果分析が単独で実施できる」ことを目指していたとします。
EC物販だったと仮定すると、
企画では、商材の強みや弱み、原価率、継続購入率について調査しまとめる能力が求められるでしょう。
制作では、商品ページのデザインやコーディング、バナーや動画の制作能力が求められるでしょう。
広告出稿では、Google・Yahoo!の検索広告やショッピング広告のツール操作方法や改善手法を知っている必要があるでしょう。
効果分析では、流入経路別のCV数や平均単価などを計測ツールを用いて計る必要があるでしょう。
デザイン制作ツールの操作方法をどうやって学び、実際に作ってみる。
広告の資格試験を受ける過程で、各ツールの名称や操作方法を実際に学んでみる。
といった行動に移せる粒度へ分解することが大切です。
マーケターとしてのキャリアプランを転職面接で聞かれた際の回答方法
あなたの目指すマーケター像によって、転職面接での回答内容が異なります。
キャリアプランを聞かれた際の回答方法について、目指すべき人材像別に例を挙げるので、参考にしてみてください。
プロフェッショナルになりたい場合の回答例
私はマーケターとしてさらなるスキルアップを目指しています。
現職で得た広告運用スキルをさらに磨き、御社においても高いパフォーマンスを発揮したいと思っています。自己学習の一環で、動的広告やLINE広告を学んでおり、最新の技術についても順次習得を進めていきます。
マネジメントを行ないたい場合の回答例
私は御社で高い成果を創出し、5年以内にマーケティングマネージャーになるキャリアプランを描いています。
現職では3年にわたり約10名のチームでリーダーを努め、部下の育成とチームの業務品質を向上させてきました。マネジメントの役割を担う上で、力不足な点も認識しており、一つずつ力をつけていきたいと思っています。
あなたの目指すマーケター像とセットで、働く企業に対して貢献した上であることも同時に話せると良いでしょう。
また企業からの機会提供に依存した人物に映らぬよう、ご自身が単独でできる努力にも触れられると良いでしょう。
まとめ:キャリアプランを作成して、将来につながるチャンスを確実に掴もう
マーケターとして成功するためにはキャリアプラン作成が欠かせません。
まず、キャリアプランの流れを把握することで、マーケターとしての成功への道が開かれるはずです。あなたの目指す将来像を明確化させ、自分が今取り組むべきことを具体的に設定してください。
所属企業でのキャリアアップ・転職・独立などいずれを選択するにしても、チャンスを確実に掴めるマーケターを目指しましょう。