インサイドセールスとテレアポの違いは?
インサイドセールスとテレアポは混同されることが多いですが、それぞれ異なる営業手法です。目的や成果指標、アプローチ方法などに違いがあり、向いている人のタイプも異なります。以下ではインサイドセールスとテレアポは具体的にどういった点に違いがあるのかについて詳しく紹介します。
インサイドセールスとテレアポの目的の違い
インサイドセールスとテレアポの目的の違いについて説明します。
インサイドセールスの目的
インサイドセールスの目的とは見込み顧客を育成してフィールドセールスにつなげることです。見込み顧客にさまざまなアプローチを行い、いずれ成約に至るよう育成していきます。そのため、インサイドセールスでは顧客の見込み率を高めていくことを目標にします。
テレアポの目的
テレアポの目的は自社の製品やサービスの購入をしてもらうためにアポイントを取ることです。見込み率はあまり重視せず、アポイントの数を増やすことを大きな目標とします。(昨今は、どちらも成約数や成約金額、商談実現数などを目標とするケースが増えており、目的の差はなくなりつつあります。)
インサイドセールスとテレアポの成果指標の違い
インサイドセールスとテレアポでは使われる成果指標に違いがあります。成果指標の違いについて以下で詳しく解説します。
インサイドセールスに使われる成果指標
インサイドセールスでよく採用される成果指標は以下の通りです。
- 架電数
- 着電数・着電率
- メール送信数
- フォロー率
- 商談化数・商談化率
- 受注案件数・受注額
インサイドセールスではさまざまな成果指標を用いてデータ分析を行い、課題を見つけて改善を図ることを繰り返します。上記のような成果指標で目標を設定し、目標を達成できたか、達成できなかった原因は何かを分析して次に活かします。
インサイドセールスでは見込み顧客の育成が大きな目標となるため、商談数や商談化率、受注案件数、受注額といった指標は特に重要です。最終的な成約につながらなければ、インサイドセールスが十分に機能していないといえます。そのため、商談の質を評価するための成果指標がインサイドセールスでは特に重要です。(初回接触時の顧客の状態により、育成難易度は変わります。このため、架電対象に応じて目標設定の高低が定められる場合が多いです。)
テレアポに使われる成果指標
テレアポでよく採用されている成果指標を以下にまとめました。
- 架電数
- 平均通話時間
- 商談化数
- 稼働率
テレアポはアポイントを獲得することが目的のため、主に量に関する指標が使われる傾向にあります。架電数はアポイントの獲得に大きく影響する指標です。
平均通話時間は実際に顧客と通話している平均時間を指します。平均通話時間は長ければ良いわけではありません。1件の電話にかける時間が長くなると総コール数が減って効率が悪いため、平均通話時間の短縮化を図ることが重要です。
稼働率とはオペレーターが働いている時間の中で実際に顧客に対応している割合を指します。稼働率によってテレアポの生産性を把握できるため重要な指標です。
テレアポは効率的に営業をかけることを重視するため、成果指標は生産性や効率性を向上させるために利用されます。
インサイドセールスとテレアポの手法の違い
インサイドセールスとテレアポでは、実際に営業をかける際のアプローチの仕方に違いがあります。それぞれの手法にはどんな違いがあるのか紹介します。
インサイドセールスの手法
インサイドセールスは非対面での営業手法を採用しており、電話やメール、SNS、手紙、セミナーなどが活用されています。顧客に合わせてアプローチ手法を柔軟に変えるのが特徴です。
一般的には、過去に名刺交換した相手やWebサイト経由の問い合わせ者に対しアプローチします。アウトバウンド型インサイドセールス(BDR)と呼ばれる顧客情報を持たない状態からコールドコール(名簿リストに順に架電をする等)で接点を創出するスタイルもあります。
インサイドセールスでは顧客の育成が重要になるため、電話だけではなくメールやSNS、手紙といった手段も積極的に利用されます。定期的に顧客へアプローチをすることで、顧客との信頼関係を構築し、購買意欲を高めることが可能です。
さまざまな手段で顧客との関係を築いていき、最終的にはアポイントの打診をして、実際に対面での商談を進めることになります。(対面商談を担当するのはフィールドセールスの役目です。)
テレアポの手法
テレアポは「テレフォンアポインター」の略称であり、電話によって顧客へアプローチするのが特徴です。したがって、テレアポはインサイドセールスの手法の1つといえるでしょう。
名簿リストの番号に対して電話をかけて、自社製品やサービスの紹介を行います。昔から営業手法としてテレアポは広く利用されてきて、今でも重要な営業手法の1つとして多くの業界で活用されています。
テレアポは移動をする必要がなく、次々と新規顧客に電話をかけていき、いかに多くのアポイントを獲得するかを重視する手法です。テレアポは主にBtoCにおいて採用される手法であり、BtoBのビジネスではインサイドセールスが主に採用されます。
インサイドセールスとテレアポに向いている人の違い
インサイドセールスとテレアポではそれぞれ向いている人の特徴に違いがあります。それぞれに向いている人の特徴について詳しく紹介します。
インサイドセールスに向いている人の特徴
インサイドセールスに向いている人の特徴を以下にまとめました。
- 非対面のコミュニケーションスキルがある
- 粘り強さがある
- 失敗を反省して改善できる
- 仕事に対して積極的
- 記録を取るのが得意
インサイドセールスは電話やメール、SNSなど非対面のコミュニケーションで営業をかけることになります。非対面でのコミュニケーションスキルに長けている方は、インサイドセールスに向いているでしょう。
インサイドセールスは長期的にアプローチして見込み顧客を育てる手法です。途中で失敗することもあり、見込み顧客に冷たい態度を取られるケースも少なくありません。そのため、粘り強さがある人に向いている仕事です。
その他にも、失敗を反省して改善できる人や仕事に積極的に取り組める人、記録を取るのが得意な人などもインサイドセールスに向いています。(Salesforceに代表される営業管理ツールの発達に伴い、営業記録をツール上に残すことを必須にする企業が増えています。このため、メモをとりツールに記録することが得意か否かは重要です。)
テレアポに向いている人の特徴
テレアポに向いている人の特徴は以下の通りです。
- 短期間で結果を求める人
- 切り替えが上手い人
テレアポはすぐに成果が分かるため、短期間で結果を求める人に向いています。また、テレアポは1日で多くの人に電話をかけて、次々と営業をかけていくスタイルです。何度も断られることになるため、気持ちの切り替えが上手い人に適した仕事といえます。
インサイドセールスとテレアポのやりがいの違い
インサイドセールスとテレアポではやりがいに違いがあります。やりがいの違いについて詳しく紹介します。
インサイドセールスのやりがい
インサイドセールスのやりがいは以下の通りです。
- 成長を実感できる
- 柔軟な働き方ができる
- 幅広い経験ができる
インサイドセールスは失敗と反省、改善を繰り返しながら仕事を進めていくため、成長を実感しやすいです。より洗練された方法で営業のアプローチができるようになり、身につけたスキルは別の業種にも役立つでしょう。
非対面での営業が中心となるため、柔軟な働き方ができる点もインサイドセールスのやりがいといえます。フレックス制や在宅ワークなどの働き方と相性が良く、幅広い働き方を認める求人は多いです。
インサイドセールスは業務の幅が広いため、幅広い経験ができる点もやりがいとなっています。Web会議ツールや営業支援ツールなどさまざまなツールを扱うため、多くのスキルを得られるでしょう。幅広い経験を通して多くのスキルを得られるのがやりがいにつながります。
テレアポのやりがい
テレアポのやりがいは以下の通りです。
- インセンティブがある
- 達成感を得られる
- コミュニケーションスキルを高められる
テレアポはアポイントの獲得数を重視する仕事であり、インセンティブが設けられていることが多いです。成果を上げられれば、その分だけ収入が上がるため、モチベーションを高められます。
テレアポは成功率が低いため、成功できた時の達成感が大きい点もやりがいです。努力してスキルを磨いて、苦労して成果を上げることができれば、大きな喜びを得られるでしょう。
テレアポは多くの方とコミュニケーションを取る機会があるため、話し方や伝え方などのスキルを伸ばせられるのもやりがいになります。テレアポの仕事で身につけたコミュニケーションスキルは他の仕事にも活かせる貴重なスキルになるでしょう。