SEOの仕事内容とは?具体的にやることは?
「SEOの仕事内容が具体的にイメージできない……」
「SEO施策には何がある?」
今回は「SEOの仕事内容」について解説しますので、参考にしてみてください。
SEOの働き方には2種類ある
はじめに、担当業務がSEOとなる働き方は2種類あります。
- インハウスSEO担当者
- SEO代理店
インハウスの場合、事業責任者やマーケティング部門長のもと、SEO施策を考え、実行します。代理店の場合、クライアントと依頼に従い、施策の立案や実行・報告を担います。
どちらも仕事内容の核となる部分は同じですが、代理店ではクライアントへの営業や報告が追加されると理解しましょう。(インハウスも、関係部署との調整や上長への報告などが発生する場合も多く、似ている部分が多いです。)
ここでは、SEO代理店のSEOコンサルタントを例に挙げ、どういった仕事をしているのか見ていきましょう。
SEOコンサルタントの役割
SEOコンサルタントの役割は、クライアントのウェブサイトが検索結果上位に表示されるようSEO施策を計画・実施する専門職です。
Googleの検索結果ページには、上部に広告(検索広告枠)、下部にオーガニック検索(自然検索)が表示されます。
SEOコンサルタントは検索広告ではなく、オーガニック検索で上位を狙うための対策を講じます。
クライアントのウェブサイトが上位に表示されれば、サイトの流入数や商品・サービスの販売につながり、継続的に質の高い集客が可能です。
そのため、SEOの知識や経験を持つSEOコンサルタントは、ウェブサイトを持つ企業から高い需要が見込まれ重要な役割を担っています。
昨今のSEOコンサルタントはより本質的な「顧客の利益」を確認し、そこから日々の施策までブレイクダウンする役割を担うことも増えました。また検索結果(Serps)も複雑になり、AIによる生成ブロックや動画枠、強調スニペットなど成果に影響を及ぼす範囲も拡大しており、これらも役割に含まれます。
SEOコンサルタントの仕事内容
ここからは、SEOコンサルタントの具体的な仕事内容について触れていきましょう。
①クライアントへのヒアリングを実施する
まず、クライアントにウェブサイト運営の目的、事業概要をヒアリングしましょう。
なぜなら、企業によって取り扱う商品やサービスは異なり、抱える問題もさまざまだからです。
例えば、以下のようなクライアントの要望を調査します。
- アクセス数を増やしたい
- もっと効果的に商品・サービスの購入へつなげたい
- 自社商品やサービスの認知度を向上させて店舗に足を運んでほしい
現時点における問題を見極め、クライアントとともにビジネスにつながるSEO施策を考えていかなければなりません。
もし、クライアントが誤った認識を持っていたり、効果の少ないSEO施策を取っていたりする場合には的確な提案を行なう必要があります。
ヒアリングを丁寧に行なわなければ高いSEO効果は期待できず、クライアントの要望に沿うことは難しくなります。
ヒアリングした結果、コンサルタントはSEOを実施することで、クライアント収益にどの程度貢献できるかを一連の流れで説明できる状態を目指します。
具体的には、「利益率の高いA商品の顕在層が検索するキーワードを選び、中期の施策と短期の施策、加えてクライアント社内業務を新しいマニュアルに変更し、訪問者を伸ばす。訪問者は購買意欲が高く、月間年間のA商品販売数量は◯件程度増加し、検索広告の出稿量を抑えることも選択肢に挙げ、得た利益からB商品への横展開とA商品の潜在層にアプローチするオウンドメディアを立ち上げていく。」といった具合です。
②サイトの現状を分析する
現在のウェブサイトを分析し、マイナスに働いている箇所や、実装が推奨される箇所、伸びしろを洗い出します。外からでも確認できるソースコードや表示速度、モバイル対応、サイトマップ有無もそれらの一例です。
Search ConsoleやGoogle Analyticsが導入済みであればインデックスの状況や現状のトラフィックを確認します。この作業はAdobe Analyticsに代表されるGoogle以外のツールが含まれる場合もあります。
クライアントのウェブサイト確認が一定程度進むと、競合企業のサイト等も同様に確認をします。
③キーワードを選定する
自社の現状、過去の情報に加え、競合の情報も用いて、狙っていく顧客層、具体的なキーワードを整理します。前段か当ステップでキーワードごとの順位取得を行います。
ここでのキーワード整理とは、具体的には下記のような作業です。
- ウェブサイト(販売する製品)そのもの、代替製品、解決策、解決できる課題、購入者属性が同一の物が知りたいことをまとめる
- サジェストキーワードツールを用いて関連性のあるキーワードを調査する
- キーワード群をカテゴリやニーズ、検索ユーザーの状態別でグループ分けする
- Googleのキーワードプランナーを用いて検索ボリュームを調査する
- キーワード別の上位表示難易度を調査する
- 難易度と検索量、購買意欲の高低から取り組むキーワードの優先順位を定める
検索ボリュームの量だけでキーワードを選定しては、訪問者が増えるが商品は売れないと言った最悪のケースが生まれます。検索広告の推奨入札単価も参考に、購買意欲の程度を測ることが大切です。
④上位表示を狙うキーワードに対してSEO施策を実施する
SEO施策は数多く存在するため、おもな手法を以下に示します。
正しいマークアップをする
正確にコーディングすることで、良い評価が得られます。(非常に僅かな場合が多い。)
そのため、以下のようなタグを設定していきます。
- Meta Descriptionタグ(適切なCTRを実現し、検索体験を損なわないように)
- canonical、robots metaタグ(誤用がないか、コンテンツ重複がないか)
- altタグ(画像が表示されない場合に、画像内容を説明)
- 構造化データ(レビューやレシピ、パンくずなど)
内部リンクを整理、追加削除する
パンくずリストも内部リンクの一部ですが、ここでは親子関係、兄弟関係の上下左右へ移動しやすい内部リンクを整理します。
小規模なサイトであれば、さほど難しい作業ではないですが、数億ページを持つ大規模サイトでは、下層ページが非常に深くなります。カテゴリ分け(カテゴリページ作成)や一覧での表示数などもここでの作業に含まれます。
コンテンツを作成、改善する
E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の重要性が語られるシーンが増えている中、コンテンツにおいても正確で信頼できる情報を発信する必要があります。
検索意図を理解し。ユーザーの知りたいことを満たすコンテンツを作成しなければなりません。
難しい専門用語をなるべく使わずに、適切な日本語で読みやすい文章を心がけましょう。
自身の体験や調査した情報など、一次情報呼ばれるオリジナリティのある内容かも大切です。
被リンクを獲得する
被リンクとは、別のウェブサイトから自身のウェブサイトに貼られたリンクのことです。
対して、発リンクは、自身のウェブサイトから別のウェブサイトに貼ったリンクを指します。
つまり、ここでの被リンク獲得とは、他サイトから自社サイトへリンクが貼られる、これを増やすということです。
具体的には引用される考え方や図を公開する、便利なツールを無料公開することが挙げられます。被リンクを獲得できたかどうかは、Google Search Consoleで確認できます。(表示されないケースもあります。)
間違っても他社に金品を支払い、リンクを貼ってもらうような行動はしないようにしましょう。後のSEO担当者が尻拭いをさせられることになります。
⑤トラフィックと成果の接続点を改善する
SEOコンサルタントはSEOのコンサルティングだけではなく、ウェブマーケティング全体をコンサルティングすることも重要です。
例えば、以下のような内容です。
- コンバージョン導線の追加やABテスト
- ホワイトペーパーの追加作成
- Analyticsでのデータ収集方法の変更
- 事例紹介ページ用のインタビュー項目の改善
順位が上がることはクライアントが成果を得る過程であり、より成果を高める点にコンサルティング範囲を拡張しながら貢献することが増えています。
こういったSEO周辺のウェブマーケティング知識も身につけることが業務上求められるでしょう。
⑥クライアントに対して定期的な報告および今後の方針を提示する
一般的に月に一度の定期報告では、発見した課題、そこへ実施した対策、その結果(途中経過)、残課題と今後の予定を取り上げます。
簡単なメモ書きで説明するケースもあれば、パワポにまとめるケースもあるでしょう。資料作成も業務の一部です。SEO施策は一度実施すれば終わりではありません。
アップデートに限らず順位が変動することもあれば、新しい仕組みが導入されることもあります。日々変わる状態に対し、順次対策を講じていく流れになります。
まとめ
SEOの仕事内容、具体的なやることを当記事ではご紹介してきました。
SEOコンサルタントを例に説明しましたが、インハウスの場合には、社内承認を得たり、業務を上司に報告することと読み替えていただければおおよそ標準的なケースが説明できたかと思います。
SEOの仕事は目に見えず、分かりにくい特性もあるため、周囲の理解が得られる環境で楽しく仕事を進めたいものです。